流行期を迎えると、全国各地の発熱外来には予約を入れたい患者からの電話が殺到し、回線がパンクする光景が繰り返されてきた。診療所側も感染対策のための動線分離や防護具の着脱に追われ、通常診療との両立に限界を迎える場面が目立つ。
国立感染症研究所がまとめた最新のサーベイランスデータによれば、ウイルスの変異と流行パターンの多様化により、年間を通じて発熱患者の波が崩れにくくなっているという。現場で対応にあたる感染症専門医は、「熱が出たらすぐに病院に行けば安心という従来の発想から、症状の推移を冷静に見極めて行動する意識への転換が必要だ」と指摘する。安易な外来受診が二次感染のリスクを高め、本当に治療を必要とする重症患者の診察枠を奪ってしまう現実があるためだ。