今日の白眉は、何と言っても第3試合の9回裏に訪れた。1点差を追う土壇場で打席に立ったのは、それまでノーヒットと苦しんでいた5番バッター。カウント2-2からの5球目、インコース高めのストレートを一閃すると、快音を残した白球は夕暮れの空へと吸い込まれ、そのままレフトスタンド最前列へ飛び込んだ。
ベンチから飛び出す選手たちと、抱き合って涙を流す内野陣。一瞬の静寂ののち、地鳴りのような歓声が甲子園を包み込んだ。土壇場で見せたあの集中力と勝負強さこそ、甲子園という魔物に打ち勝つ唯一の武器なのだと、あらためて痛感させられる場面だった。