この事件を語る上で避けて通れない重要人物が、当時、第509爆撃航空群の情報将校として現場に真っ先に駆けつけたジェシー・マーセル少佐だ。彼は回収した異様な破片について、「これまで見たどの金属とも異なり、折り曲げることも燃やすこともできなかった」と固く証言していた。しかし、アメリカ空軍の上層部はすぐさま彼を記者会見の場に引き出し、通常の木製フレームと箔でできた気象観測気球の破片を持たせて写真に収めさせた。
このあからさまな「写真撮影セッション」は、後に歴史的矛盾として糾弾されることになる。熟練の情報将校が、見慣れた気球の素材と「未知の飛行物体の残骸」を見誤るはずがないという疑問は、数十年経った今も消えていない。マーセル少佐自身も後年、メディアのインタビューで軍の圧力と隠蔽の事実を暗示する発言を遺しており、彼の証言は事件の真相を解き明かす最大の楔となっている。