本作を語る上で絶対に外せないのが、主人公・芳賀稲子(通称:ハガネ)を演じた吉瀬美智子の圧巻のパフォーマンスだ。クールでエレガントなイメージが定着していた彼女が、三十路を過ぎて独身、職なし、男なしという崖っぷちの臨時採用教師役に挑んだことは、当時のテレビ界でも大きな賭けであった。
しかし、傷だらけになりながらも生徒一人ひとりと本気で向き合う泥臭い姿は、視聴者の心を揺さぶった。「ハガネ」というあだ名の裏には、決して折れない頑丈さだけでなく、傷つくことを恐れずに相手の懐に飛び込む人間的な温かみが込められている。吉瀬美智子という女優の真価が発揮された代表作と言っても過言ではない。