専用の水耕栽培キットは洗練されたデザインである一方、5,000円から15,000円前後の初期投資を求められるケースが珍しくありません。しかし、身近な100円ショップの雑貨や家庭内の廃材を賢く組み合わせれば、機能面で一切見劣りしない栽培システムを驚くほど低コストで自作可能です。
最も推奨される構成の一つが、2リットルまたは500ミリリットルの空きペットボトルを上下に切り分けた「反転式ドリップ容器」です。飲み口側を逆さにして下側のボトルに重ね、口の部分に切れ込みを入れた台所用スポンジを差し込みます。上段に培地を配置し、下段に培養液を溜める構造にすることで、毛細管現象によって適度な水分が吸い上げられ、水位調節の手間が激減します。水切りザルと小型ボウルの組み合わせでも、同様の二重構造が容易に再現できます。
自作装置において唯一にして絶対不可欠な工程が「アルミホイルや遮光テープによる完全遮光」です。透明な容器のまま光に晒すと、わずか数日で培養液内部に緑色の藻やアオミドロが発生します。藻そのものは直接の病原菌ではないものの、養分を奪い合い、死骸が沈殿して水質を急激に腐敗させるため、容器の側面および上部隙間は光を通さないよう徹底的なコーティングが必要です。