Q1:バッファードフッ酸が作業服に1滴付いた場合、どう対処すべきですか?
A1:一見濡れただけに見えても、作業服を透過して皮膚に到達している可能性が極めて高いです。ためらわずに即座に作業を中断し、汚染された衣服を脱ぎ捨て、付着部位を15分以上大量の流水で洗浄してください。その後、グルコン酸カルシウム軟膏を塗布し、皮膚の変色や違和感がないか最低24時間は厳重に経過観察を行ってください。
Q2:実験室で少量こぼしてしまった場合の正しい中和・廃棄方法は?
A2:フッ酸系溶液を水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)などで安易に中和すると、激しい発熱と有毒蒸気が発生するため危険です。漏洩箇所の周囲を吸着マット等で封じ込めた上で、消石灰(水酸化カルシウム)や炭酸カルシウムを散布し、水に溶けない「フッ化カルシウム(CaF2)」の沈殿として固定化させて回収します。回収物は産業廃棄物(特別管理産業廃棄物)として適切に処理委託する必要があります。
Q3:グルコン酸カルシウム軟膏は市販の薬局で購入できますか?
A3:グルコン酸カルシウム軟膏は一般的なドラッグストアでは市販されていません。医療用医薬品原料(日本薬局方グルコン酸カルシウム)を用いて病院や大学の薬剤部等で院内製剤として調剤されるか、提携する産業医・医療機関を通じて事前配備するのが一般的です。フッ酸を日常的に扱う事業場や研究機関は、必ず事前に産業医や専門業者と連携して軟膏を現場に常備しておく法的・倫理的義務があります。