インターネット上の掲示板やSNS、そして詳細に記録された個人のブログ体験談を調査すると、医療広告の華やかなコピーとは異なる、術後の生々しい葛藤が浮き彫りになります。
ある30代男性の体験ブログには、過矯正に悩まされた経緯が克明に綴られています。「適応検査の段階で遠くが良く見えるようにと希望し、術後視力は1.5に達した。しかし、翌日からPCの文字を見ようとすると目の奥がズキズキと痛み、1時間とデスクに座っていられなくなった。クリニックに相談しても『慣れるまで様子を見てください』と言われ続け、半年後に耐えかねて度数を弱める入れ替え手術を決断した」というものです。入れ替えによって症状は緩和したものの、二度にわたる眼球の手術とダウンタイムは、精神的にも肉体的にも大きな負担になったと語られています。
Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイトでも、「光のリングが想像以上に大きく、夜間の対向車のライトが怖い」「瞳の中にコンタクトレンズの縁のような光の反射がチラチラ映り込んで集中できない」といった、視力検査の数値には表れない「視覚の質(クオリティ・オブ・ビジョン)」に関する悩みが頻出しています。
現場の眼科専門医に取材を行うと、こうした不満が生じる背景には「事前の問診におけるコミュニケーション不足」があることが分かります。近視の度合いを完全にゼロにするのが必ずしも正解ではなく、患者の年齢や職業、趣味に合わせて「あえてわずかに近視を残す(-0.5D〜-1.0D程度)」ことで手元の見やすさを確保する設計が本来は必要です。しかし、患者側が「とにかく視力2.0にしてほしい」と思い込み、クリニック側もその期待値を補正しないまま執刀してしまうことで、術後の違和感という名の「失敗」が生み出されているのです。