撮影現場の熱気は異様なほどだ。監督を務める是枝裕和は、これまで家族の絆や社会の死角に光を当ててきたが、本作ではその視点をさらに鋭利に研ぎ澄ませている。企画の立ち上げから関わる関係者によれば、原案の発想は「人が生き抜くために仕かける嘘」についての探求から始まったという。
「誰もが日常的に小さな偽りを抱えて生きている。しかし、それが命や他者の人生を巻き込む巨悪へとすり替わったとき、人はどう踏みとどまるのか」。プロデューサー陣は熱弁を振るう。東宝株式会社が誇る最高峰の映像技術と、集英社が長年培ってきたストーリーテリングのノウハウが見事に融合。脚本の改訂は数十回にも及び、緻密に計算された心理描写が圧倒的なリアリティを生み出している。