永田町駅が「立体迷宮」と呼ばれる最大の要因は、乗り入れる路線の建設時期の違いと、地上の特殊な地形・防犯上の要請にあります。駅は武蔵野台地の東端に位置し、地上自体に激しい起伏が存在します。そこに後発路線が次々と下層へ潜り込む形で建設されたため、極端な多層構造が形成されました。
1974年に開業した有楽町線(地下3階)を皮切りに、1979年に半蔵門線(地下4階)、そして1997年に南北線(地下6階、地表から約28〜30メートル)が開通しました。特に南北線は、首都高速道路の基礎杭や先行する地下鉄路線、さらには重要インフラ網を避けるために大深度シールド工法で掘削された経緯があります。
加えて、地上には国会議事堂や首相官邸といった重要施設が密集しているため、地上出口の設置場所や地中構造物の配置に極めて厳格なセキュリティ制限が課されてきました。この縦横に入り組んだ地中要塞こそが、永田町駅特有の高低差と複雑な動線を生み出している根本原因です。