かつて川崎重工業の技術者として世界の強豪と渡り合った経験は、行政の舵取りを行う現場でもいかんなく発揮された。文部科学省で副大臣等の要職を務めた際にも、同氏が一貫して貫いたのは「若手研究者や教育の現場が誇りを持って挑戦できる環境づくり」だった。
若手研究者のキャリア形成難や研究費不足という長年の構造問題に対しても、自ら現場に入り込んで実態を把握し、実効的な改善策を打ち出してきた。学校現場のデジタル化や理数系人材の育成に関しても、教師や学生の生の声に粘り強く耳を傾ける。ものづくりの第一線を知る者だからこそ見抜ける、日本の「知の基盤」の脆さとその再構築策がそこにはある。