文房具の売り場から「はだいろ」という表記がなくなった最大の理由は、特定の色を「人間の肌の色」と定義することへの疑問と国際感覚への配慮です。
日本国内における国際化が進み、多様なルーツや国籍を持つ子どもたちが同じ教室で学ぶ機会が増加しました。人間の肌の色は一人ひとり異なり、白に近い肌、黄色みを帯びた肌、褐色の肌、黒に近い肌など多種多様です。それにもかかわらず、明るい薄橙色だけを「肌色」と呼ぶことは、「それ以外の肌の色を持つ人々を排除したり、優劣を連想させたりするのではないか」という人権配慮の視点が浮上しました。
「肌色」という単語自体に悪意はなくとも、幼少期の教育資材において「標準的な肌の色」として固定観念を植え付けてしまうリスクを避けるため、文具メーカー各社は色の名前の変更という大きな決断を下すことになりました。