胡蝶カナエの命を奪った張本人は、十二鬼月の中でも屈指の残虐性と冷酷さを誇る上弦の弐・童磨(どうま)です。女性を好んで喰らう童磨との遭遇は、彼女にとって逃れられない死闘の始まりを意味していました。
カナエは単独で童磨と対峙し、極低温の冷気と氷を操る厄介な血鬼術に対し、命を削る極限の攻防を展開しました。最終的に致命傷を負わされたものの、朝日が昇る直前まで耐え抜いたことで、童磨は日光を避けて逃亡を余儀なくされます。童磨が女性の肉体を好む鬼でありながらカナエを捕食(吸収)できなかったのは、まさに彼女が夜明けまで命懸けで時間を稼ぎ切った証左に他なりません。
急報を受けて現場に駆けつけた胡蝶しのぶが見たのは、血に染まり倒れ伏す姉の姿でした。この凄惨な死亡シーンはしのぶの心に消えない復讐の炎を灯し、物語のクライマックスへと繋がる宿命の引き金となったのです。