乗降口で乗客がもたつく数十秒の積み重ねが、ダイヤの遅延を生み出す最大の要因だった。特に海外からのインバウンド客がICカードのチャージ不足や現金支払いで戸惑うシーンは、各地の路線バスで日常茶飯事となっていた。
そこで導入されたのが、主要クレジットカードのタッチ決済端末の全車配備だ。スマートフォンの決済アプリやタッチ決済対応カードをかざすだけで一瞬で支払いが完了する仕組みは、インバウンド客の圧倒的な支持を獲得している。あわせて、ピーク時間帯の運賃をわずかに調整し、オフピーク時の利用を促す「ダイナミック・プライシング」の試行もスタートした。
「支払いのストレスが消えただけで、車内の空気まで変わった」と話す運転手の言葉通り、スムーズな乗り降りは遅延防止だけでなく、乗務員の心理的負担軽減にも大きな効果を上げている。