政権与党と野党の駆け引きが激しさを増すなか、石破茂首相は「国民の実質賃金向上と手取りの最大化」を強調する。だが、その裏で税収の安定確保を狙う財務省との間には、水面下で激しい火花が散っている。令和8年度税制改正に向けた協議では、税収減を抑えたい財務省側と、選挙公約を果たしたい政権側との税率調整が難航を極めてきた。
特に注視すべきは、子育て世帯に対する「支援」と「控除削減」のトレードオフだ。児童手当の支給対象が高校生年代まで拡大されたことを受け、16歳から18歳の特定扶養控除の縮小または再編が現実味を帯びている。手当として現金を給付する一方で税制上の控除を削れば、高所得層を中心に「差し引きゼロ、あるいは実質増税」という不満が噴出するのは避けられない。
政策の舵取り一つで、子育て世代の教育費負担感は激変する。税制の複雑化に伴う不公平感を解消できるのか。あるいは単なる徴収構造の組み替えで終わるのか。政府が提示する最終案の細部にまで、国民の厳しい視線が注がれている。