診断後、迅速に専門病院へと入院した獅童氏は、胸腔鏡を用いた低侵襲の外科手術を受けた。体に大きな傷跡を残さず、術後の呼吸機能低下を最小限に抑える高度な執刀技術により、患部の局所切除が無事に完了した。
国立がん研究センターをはじめとする日本の統計データにおいても、肺腺がんのステージ1A期における5年生存率は90%を超え、適切な切除を行えば根治が十分に期待できる領域とされる。発声や激しい身体表現を命とする歌舞伎俳優にとって、肺機能を極力保ちながらがんを完全切除できたことは、奇跡的でありつつも緻密な医療計画の賜物であった。