独ソ戦の転換点であり、同時に人類史上最大級の惨劇となったのがスターリングラードの戦いである。市街地は瓦礫の山と化し、建物ひとつ、部屋ひとつを巡って泥沼の近接戦闘が繰り広げられた。兵士たちの平均寿命はわずか数時間とも言われるほど、死が日常と化した空間であった。
包囲されたドイツ第6軍の兵士たちは、馬の肉すら食べ尽くし、極寒の中で凍死していった。一方、包囲圏の内外に取り残された民間人たちも、暖を取る術も食料もないまま、砲煙弾雨の中で息絶えていった。この激戦地に刻まれた痕跡は、戦争がどれほど容易に人間性を破壊し尽くすかを物語る最も痛烈な証拠と言える。