情報統制の壁を穿ち、体制の実情を暴こうとする試みは映像の世界でも続けられてきた。ロシアのヴィタリー・マンスキー監督による映画『太陽の下で〜真実の北朝鮮〜』は、当局によって入念に演出された「理想の家族」の生活を撮影する裏で、カメラを回し続けることでその作り物めいた歪みをあぶり出した傑作だ。
このように国際政治ジャーナリズムの精神に支えられたカメラは、国家プロパガンダが作り上げる虚飾のストーリーを剥ぎ取り、市民が置かれた厳しい現実を世界に提示する。演出された幸福の陰に見え隠れする恐怖政治の影こそが、この国家の本質であることを映像は雄弁に物語る。