文部科学省が改訂を重ねる日本食品標準成分表を紐解くと、バナナがいかに高効率な栄養パッケージであるかが一目瞭然となる。一本(可食部約100g)あたりに含まれるエネルギーは約86kcal。白米や食パンに比べて控えめでありながら、体内で段階的にエネルギーへと変換される多糖類と単糖類が絶妙なバランスで共存している。
特筆すべきは、むくみ対策や高血圧予防に不可欠とされるミネラル、カリウムの圧倒的な含有量だ。塩分の過剰摂取に悩む現代人の体内から余分なナトリウムを排出するポンプの役割を果たしてくれる。さらに、腸内環境の善玉菌を育てる水溶性と不溶性の食物繊維、アミノ酸の代謝に欠かせないビタミンB6も凝縮されている。これらが単体ではなく同時に消化管へ届く点こそ、バナナが「天然のサプリメント」と称される理由である。