送還士たちの戦場は、遺体処置室だけではない。むしろ、最も時間を費やすのは、各国の役所や大使館とのタフな交渉だ。死亡診断書、遺体防腐証明書、通関許可書……。必要書類は国ごとに異なり、一つの誤字が数日間の搬送遅延を招くこともある。
2026年現在、あらゆる分野でデジタル化が進む一方、死に関する行政手続きは未だにアナログな手続きが多く残る。戦争や地域紛争、あるいは政情不安を抱える地域からの送還となれば、難易度は跳ね上がる。現地の外交ルートを駆使し、時には深夜の国際電話で粘り強く交渉を続ける泥臭い努力が、彼らの日常だ。