モーニング娘。の熱狂に続き、男性ボーカルオーディションで爆発的なムーブメントを起こしたのがCHEMISTRY(堂珍嘉邦・川畑要)だ。数万人の応募者の中から、たった2つの席を巡って繰り広げられたボーカリストたちの熾烈なデッドヒートは、音楽オーディション番組の最高峰として今も語り継がれている。
このプロジェクトを強力にバックアップしたのがソニー・ミュージックエンタテインメントである。徹底的に本物の「歌声」と「ハーモニー」にこだわり、R&Bブームの潮流と完璧に合致させた。仮歌録音やデュエットの組み合わせテストなど、スタジオワークの緊迫感をありのままに見せる手法は、音楽業界の内幕をポップスとして昇華させる画期的な挑戦だった。
合格した2人がデビュー曲でいきなりミリオンセラーを達成した裏には、タレントのタレント性だけに依存しない、緻密で洗練された音楽ビジネスの勝利があった。