人間の業と会話の妙を描かせたら右に出る者はいない名脚本家・坂元裕二。彼が執筆を手掛けた「2026年新作ドラマ」の真骨頂は、日常会話の皮を被った心理戦にある。重厚な「サスペンスヒューマンドラマ」の骨格を持ちながら、随所に尖った「ブラックコメディ」の要素を散りばめる手腕は、まさに圧巻の一言だ。
言葉の裏に隠された意図、間(ま)の取り方、そして言葉遣いひとつで人間関係のパワーバランスが一変するカタルシス。坂元氏はこの一行のセリフのために、何週間もの時間を費やして推敲を重ねたという。人間の美しさと愚かさを同時に炙り出す独特のダイアローグは、令和のテレビ史に新たな金字塔を打ち立てた。