近年、日本の観光産業において急速に存在感を増しているのが「ペットツーリズム」という潮流だ。環境省も、単なるペット同行避難や公共マナーの啓発にとどまらず、地域観光振興や動物愛護の一環として、人と動物が共生できる健全な旅行環境の整備を後押しする姿勢を見せている。旅先での滞在環境に対する社会的な関心は、これまでにないほど高まっている。
この大きな波に拍車をかけたのが、メディアやエンターテインメントの影響力である。保護犬活動家としても知られる坂上忍氏をはじめ、多くの著名人が愛犬との豊かな暮らしを発信し続けることで、飼い主たちの「愛犬と一緒に旅をしたい」という欲求は確実に開花した。さらに、人間と犬の深い絆を描いた映画『ハウ』などの作品が観客の心を打ち、愛犬を単なるペットではなく「大切な家族」として旅のお供に連れ出す文化が定着したと言える。