SNSや医療相談掲示板では、毎年この重複症状に対する切実な悲鳴が溢れています。
「インフルの抗ウイルス薬を飲ませたいのに、吐いてしまって薬が胃に入らない」「熱が39度あるのに下痢でトイレから出られず、救急車を呼ぶべきか迷った」といった体験談は後を絶ちません。現場の小児科・救急外来を取材すると、保護者や患者自身がパニックに陥る共通パターンが浮かび上がってきます。
第一の落とし穴は、「検査のタイミングの難しさ」です。インフルエンザの抗原検査は発症後12時間以上経過しないと偽陰性になりやすい一方、激しい嘔吐で衰弱した患者を早期に連れて行くと「インフル陰性」と判定され、単なる胃腸炎として帰宅。その翌日に熱が下がらず再検査してインフル陽性が判明するというタイムラグが多発しています。
第二の落とし穴は、子どもにおける重症化リスクの兆候見逃しです。小児の脱水は成人と比較して進行が極めて早く、発熱による不感蒸泄(呼吸や皮膚からの水分蒸発)と下痢が合わさることで、わずか半日で脱水症に陥ります。「泣いているのに涙が出ない」「オムツが半日以上濡れない」「唇が渇いて舌が白い」「呼びかけに対する反応が鈍い」といった状態は、即座に点滴治療を要する危険信号です。