タイトルにも冠されているナデシコ属の植物は、学名を「Dianthus(神の花)」と呼び、古今東西の文学や伝承で特別な意味を与えられてきた。野生のナデシコは、他の花が根を張れないような痩せた土地や断崖絶壁の岩間でも、深く根を伸ばして可憐な花を咲かせる強い生命力を持っている。
ドラマの演出においても、この植物学的アプローチが随所に散りばめられている。美術スタッフがこだわり抜いたセットやロケーションの中に配置された花々は、主人公の心情の変化や劇中の運命の暗転を象徴する重要な視覚的メタファーとして機能しているのだ。