山梨県甲州市勝沼町。ここを語らずして日本のワイン史は成立しない。明治初期、二人の青年がフランスへ渡り、本場の醸造技術を持ち帰って以来、150年以上の歴史を重ねてきた。
勝沼の街を歩けば、明治・大正期の趣を残す石造りの蔵や古いレンガ造りの醸造所が次々と姿を現す。「勝沼醸造」や「ルミエール」、「丸藤葡萄酒工業」をはじめとする名門ワイナリーは、伝統を守るだけでなく、単一畑(シングルヴィンヤード)ごとの個性を明瞭に引き出すハイエンドなボトル造りに挑み続けている。緩やかな斜面に広がるブドウ棚の景観は、日本の原風景とワイン文化が見事に調和した芸術だ。