独占取材に応じた主演の菅田将暉は、今回の役作りが自身のキャリアにおいて最も精神的・身体的に過酷だったと振り返る。奇抜な設定ゆえに、一歩間違えればコントに陥りかねないリスクを孕んでいた本作。菅田は撮影に入る数か月前から過酷な減量とボディワークに取り組み、粘着性と発酵感を身体表現へ落とし込むための特殊トレーニングを重ねたという。
現場での吉田恵輔監督の演出も鬼気迫るものだった。「カメラの前でただ『変な人』を演じるな。本当に世界から拒絶され、納豆にしか救いを見出せない男の痛みを骨の髄まで感じろ」という監督の容赦ない要求に応えるため、現場は連日緊張感に包まれていた。撮影裏話として菅田が明かしたエピソードによると、極寒の冬場に行われた粘液状の特殊セット内での撮影では、失神寸前まで追い込まれながらもノーカットで演じきったという。キャスト陣の狂気じみた情熱こそが、この不可思議な物語に圧倒的なリアルと真実味を吹き込んだのだ。