備後地方の繊維産業を牽引してきたタカヤ商事株式会社には、創業以来受け継がれてきた妥協なきモノづくりの精神が息づいている。代表取締役社長を務める高谷康司氏の指揮のもと、同社は伝統的な縫製技術と先端のテキスタイル開発を融合させ、作業服の常識を次々と覆してきた。「過酷な環境で働く人間が、最も誇りを持てる服を作らなければならない」という信念が、すべてのプロダクトの根底に流れている。
その思想を具現化するために立ち上げられたのが「グランシスコ・ワークウェア開発プロジェクト」だ。デザイナーやパタンナーが机上だけで図面を引くことはない。彼らは建設足場や解体現場、重機がうなる土木工事の最前線へ直接足を運び、職人たちの微細な体の動きや摩耗しやすい箇所のデータを徹底的に採取した。ポケットの位置が1センチずれるだけで作業効率が変わる。ステッチの角度ひとつで引き裂き強度が劇的に変化する。現場の声と職人技の対話からしか生まれない機能美が、グランシスコの骨格を形作っている。