2026年8月15日正午。日本武道館の巨大な屋根の下、数千人の参列者が一斉に頭を垂れた。聞こえるのは空調の微かな響きと、屋外からかすかに届く夏の風の音だけだ。この1分間の静寂には、先の大戦で命を落とした兵士や民間人、合わせて310万人余の犠牲と、残された遺族たちの80年以上にわたる歩みが凝縮されている。
式典には、全国から集まった遺族をはじめ、衆参両院議長、最高裁判所長官、各政党代表らが参列した。会場正面に掲げられた巨大な「全国戦没者之霊」の木標の前には、菊の花々が咲き誇り、厳粛な気が立ち込める。参列者の表情には、亡き肉親への想いと同時に、終わりなき平和への祈りが深く刻まれていた。