「ワクチンを打ったのにインフルエンザにかかった」という不満は、毎年必ず聞かれます。しかし、これはワクチンの欠陥ではありません。インフルエンザワクチンの主な目的は「感染そのものを100%防ぐこと」ではなく、「発症を抑えること」、そして何よりも「重症化(肺炎や脳症など)を防ぐこと」にあります。
実際、ワクチンによる発症予防効果は大人で50〜60%程度とされています。これを「低い」と感じるかもしれませんが、もし感染してしまっても、体内にすでに抗体があればウイルスの増殖を素早く抑え込み、高熱が出る期間を短縮し、命に関わる合併症を防ぐことができます。この「セーフティネット」としての役割こそが、予防接種の本質的な価値なのです。