ちいかわの親友である「ハチワレ」は、この過酷な世界において極めて異例な役割を担っている。作中で唯一、流暢な言葉を話し、読者に対して状況や感情を言語化して伝える「語り部」のポジションだ。洞窟に一人で暮らし、質素な食事や手作業の内職で生活費を稼ぐ貧困とも言える境遇にありながら、その心は驚くほど豊かで前向きである。
「なんとかなれ!」という言葉に代表される彼のポジティブ思考は、危機的状況を打開するトリガーとなることが多い。欲しいカメラのために地道にお金を貯める現実的な努力家であり、自分の買ったグッズを友達と共有することに心からの喜びを感じる。彼の存在なくして、ちいかわたちの深遠な友情物語は成立しない。