館内の圧倒的存在感を放つのが、国の重要文化財に指定されている「銀座線1001号形」と、赤地に白帯の鮮烈なデザインで知られる「丸ノ内線300形」だ。特に1001号の車内に一歩足を踏み入れると、大正時代の空気感がそのまま残っているかのような錯覚に襲われる。リベット打ちの無骨な外観とは対照的に、室内は温かみのある木目調で整えられ、真鍮製の握り棒やアンティークな照明が独特の情緒を醸し出す。
当時の技術者が「地下でも乗客が不安を感じないように」と工夫を凝らしたデザイン思想。それは現在の最新車両にも確実に受け継がれている。間近で観察すると、車体下部の台車周りや連結器の構造まで間近で見学できるよう床下が掘り下げられており、機械フェチには堪らない仕掛けとなっている。