長距離の海外旅行もいいが、週末のわずかな時間で本格的な異国情緒に浸りたい。そんな現代人の欲求に完璧に応えているのがこの場所だ。赤い瓦屋根と重厚な石壁、そして中央に湛えられた静かな水面。一歩足を踏み入れれば、そこが東京や地方都市の中心部であることを一瞬で忘れてしまう。
特に今年に入ってから増えたのが、リモートワークやデジタル疲れを感じた都市生活者たちの利用だ。テラス席でノートPCを開く人もいれば、ただ文庫本を片手に運河の反射光を眺める人もいる。過剰なアミューズメントではなく、「そこに身を置く心地よさ」そのものがコンテンツになっているのだ。