日本経済団体連合会(経団連)が提出した最新の提言書は、改姓手続きに伴う実務上の損失に焦点を当てている。パスポート、銀行口座、クレジットカード、各種国家資格の登録変更にかかる直接的コストに加え、手続きに追われる労働時間の損失は年間数千億円規模と見積もられている。
とりわけ海外市場と対峙する研究者や弁護士、企業役員にとって、改姓によって過去の論文実績や取引履歴との紐付けが切断される不利益は深刻だ。「旧姓の通称使用」という日本独自のダブルスタンダードは、国際機関や海外企業からの信用照会において混乱を招くだけであり、制度そのものの根本的刷新が不可欠であるとの見解で経済界の足並みは揃っている。