ヴェネツィア産大理石の艶やかな壁面と、威風堂々としたコリンシアン様式の列柱。1929年に竣工した三井本館は、近代洋風建築の最高峰として国の重要文化財に指定されている。その7階に作られた展示室は、建築自体の美しさと工芸品の静謐さが極上のハーモニーを奏でる場所だ。
かつての役員室や重厚な金庫室の気配をそっと残したインテリア。ガラスケースの向こうに飾られた古美術品だけでなく、部屋の空気感や照明の陰影に至るまで、すべてが歴史を語りかける。現代の整然としたホワイトキューブのギャラリーとは一線を画す、圧倒的なクラシックスタイルがここにはある。