数々のドラマを生み出してきた甲子園には、時に計算不能な大逆転劇を巻き起こす「魔物」が住むとされる。満員の観客が作り出す独特のうねり、アルプススタンドからの地鳴りのような応援。それらに飲み込まれ、本来の実力を発揮できずに姿を消した強豪は数知れない。
だが、現在のチームはVR(仮想現実)技術を用いた大歓声のシミュレーションや、心拍数モニタリングを活用したバイオフィードバック法を導入。極限状態における自律神経のコントロール術を身につけている。大声援をプレッシャーではなく自らのエネルギーに変換するメンタルトレーニングの結実が、土壇場での揺るぎない冷静さを生み出している。