甲子園の三塁側アルプススタンドは、試合前から独特の熱気と熱狂に包まれていた。試合がクライマックスへ向かうにつれ、アルプススタンドから響き渡るハイサイおじさんやエイサーの太鼓の音に乗せて、大観衆が一斉に指笛を鳴らす。その雷鳴のような大歓声は、遠く離れた関西の地を完全に「ホーム」へと変えていた。
同じ刻、沖縄県内の街中も興奮の坩堝と化していた。那覇市の国際通りや地元の大型ショッピングモールに設置されたパブリックビューイング会場には、ユニフォームや応援グッズを身にまとった大勢の市民が押し寄せた。優勝が決まった瞬間、見知らぬ人同士が抱き合い、あちこちでカチャーシーが踊られる光景が広がった。地元の飲食店やスーパーでは即座に「優勝記念特売」の看板が掲げられ、街全体が祝祭ムード一色に染まった。