このムーヴメントの中心にいるのが、秋田県立横手高校の存在だ。厳しい冬の寒さゆえに、屋外での十分な投球練習が制限される東北の雪国。そのハンデを逆手に取り、室内で徹底的にフォームの再現性と体幹の強化を突き詰めてきた。
「スピードが出ないなら、誰も打てない軌道と制球力を磨けばいい」。そう語るエースの眼差しには一切の迷いがない。土のグラウンドで練習できる期間が限られているからこそ、1球に対する集中力と配球の組み立てに妥協を許さない。そのストイックな姿勢が生み出したのが、ミリ単位でアウトローを打ち抜く「精密機械」と称される投球スタイルなのだ。